遠野物語ゼミナール2002
期日 平成14年8月30日(金)~9月1日(日)
場所 あえりあ遠野
フィールドワークはふるさと村を基点
テーマ:植物のフォークロア『遠野物語』と植物
今年で9回目を迎えました
昨年の“動物のフォークロア”に引き続いて今年は“植物のフォークロア”、全国から沢山の方のご参加をいただいて盛大に開催されました。
今年、2002年のゼミナールは、第9回目になる。マンネリの傾向も予想されたが、案に相違して、若い学生が多く見えて、熱気のある学習会となった。若い本田敏秋新市長も期待を込めた挨拶をいただいた。夜の野外交流会でも、美声を聞かせてくれた。
基調講義 柳田国男の植物観
明治大学教授、遠野物語研究所所長 後藤総一郎先生
『野草雑記』を引用しながら、柳田はすぐれた自然観察者であり,生物を人間と等値のももとかんじられていた、と解説した。
、また、植物のフォークロアの世界として、信仰の上での植物、食物としての植物、民間医療としての植物を例示して、今回のゼミナールでアプローチしたいと提起した。
記念講演 日本の農山村の暮らしと植物のフォークロア
アルプ自然研究所長、山村民俗の会 長澤 武先生
日本の歴史のなかで、植物と共存共生してきた農業が自給自足経済が基本であること、多くの事例をあげて解説。さらに民衆の信仰と農業との結びつきを説き、自給農業が崩壊するとともに、植物民俗も消滅していく現状を説明し、感銘深い講演であった。
『遠野物語』の植物
東京学芸大学助教授、遠野物語研究所客員研究員 石井正己先生
『遠野物語』の植物の原点は稲の風景だということから、『遠野物語辞典』の試みのなかで、植物でも、例えば「稲」「米」「餅」「藁」のような複合的な視点で見ることをすすめた。また、遠野の植物研究が民俗学の視点へも拡大することを求めた。
野外交流会
予定を急遽変更して「道の駅遠野風の丘」に変えた。今年は遠野名物ジンギスカンをメインに、昨年にお世話になった夢咲茶屋のみなさんの,「綾織の郷土料理」で、文字通りの団欒のひとときであった。
早池峰の植物の研究家‐小水内長太郎氏のプロフィール
遠野市文化財保護委員 青柳恵之先生
遠野以外ではあまり知られていない地味な植物研究家の生い立ち、経歴、協力しあった人々、青柳氏との付き合いなど、人物評伝となる講義でした。
城下町資料館見学
遠野自然資料館見学
アトラクション 綾織しし踊り
郷土芸能の本番は、祭りである。遠野の秋祭りの遠野郷八幡宮の芸能パレードは、田舎びた祭りの懐かしい風景となる。今年も、宿屋が満員になって、来客を断るのに大変だったそうだ。
この日は、そのウオーミングアップのような感じだったが、もうすこし解説があればよかったかなと、反省しています。
遠野の自然
聞き手 東北地域環境計画研究会理事 小水内正明先生
語り手 遠野市文化財保護審議会委員 三浦徳蔵さん
大正8年生まれの三浦さんの記憶力の確かなことに驚嘆しました。「一番好きな花は?」と尋ねられて、「どの植物も、1つひとつみんな好きだ」と答えて、面目躍如でした。
フィールドワーク
大出コース 早池峰神社 神遣神社 姥石など
東禅寺コース 伝無尽和尚の墓 伝南部守行の墓、常楽寺、菅原神社など
ふるさと村散策コース 裂き織、草木染め
社の森が、わが国の自然環境のシンボルであろうから、その意義を、もう少し強調しておきたかった。でも遠野は、どこも自然が一杯だ。
昔話を聞く
いろり火の会工藤さのみさんによる昔話
若い語り部さんでした。若いから熱気あるお話会で、話数も多く、参会者も多かったが、もっと小人数でいろりの雰囲気のある昔話の世界をあこがれる声もあった。
樹木と信仰
東北芸術工科大学教授、東北文化センター教授、遠野物語研究所客員研究員 赤坂憲雄先生
自然と人間の交わるところに植物の民俗があるのだ、ということから、柳田の「椿は春の木」などから、柳田の植物観をときほぐしていた。
期間中舞台を彩ってくれた野の花々。
昨年に引き続き横山ミネ子さんに飾っていただきました。今年のテーマが植物でしたので皆さんの関心も昨年以上で大好評でした。
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