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遠野は、アイヌ語でTO(湖)NUP(丘原)の意味で、太古に湖水であったという。 『遠野物語』は、「伝え言う、遠野郷の地大昔はすべて一円の湖水なりしに、其水猿ヶ石川と為りて人界に流れ出でしより、自然に此の如き邑落をなせしなりと」と語る。 遠野の村建て神話では「おいし・おろく・おはつ」という三人の姫神が遠野三山にそれぞれ住みたまうことから始まるという。 やがて湖水の水は猿ヶ石となって流れ出し、七内八崎と呼ばれる谷間と岬が入り組んだ地形を残す事になる。四方の山々の渓流が盆地底で合流して猿ヶ石となる。そしてまたそこに、神隠しにあったサムトの婆や渕神の話、河童伝説を生むことになる。 長い年月の間、この土地の人々が繰り広げてきた神と自然との交流や人間模様を、歴史・、民俗として伝えることは、未来に生きる者の心の糧となるものと思う。
遠野物語研究所
「六角牛の翠微を望んで、しばらくほうとしていた。夏霞は晴れた日の「遠野」の空に、小雨でも降るように、うっすらとかかっている」と、折口信夫は述べている。1930年の夏である。以後、柳田國男の記念すべき著書『遠野物語』の世界にひたるべく、多くの人々が遠野を訪れる。 『遠野物語』の世界は、単にファンタジックな物語ではなく、遠野の歴史民俗を知るテキストとして見直しされるようになった。そうして郷土の歴史のページを開いてみると、伊能嘉矩や佐々木喜善など、郷土の先人の業績を学習することによって市民文化の普及継承を図る意義が深まった。そこで遠野市と遠野の民間の研究団体が協議して1996年設立されたのが「遠野物語研究所」である。
いわば全国にちらばる「遠野的」な地域に埋もれた常民の歴史と民俗を掘り起こして、地域に立つ者のアイディンティティーの確立をもとめるものである。 そのためにこの研究所は門戸を広く開放し、市民をはじめ国内外の人々が集い、日常的な民俗文化活動の拠点となることを基調として、市民有志の奉仕によって運営されている。





遠野物語研究所
〒028-0523遠野市中央通り2-11
tel/fax 0198-62-0809
e-mail tmkenkyu@tonotv.com